岐阜獄中記 ~アキバから岐阜へ~

アキバを離れ、陸の孤島「岐阜」に収監(就職)されたオタクの話

昼間から酒を呑む幸せ

 囚人にも休日はある。6畳一間の狭い牢屋部屋の中では あるが、次の労働まで36時間の休息。シャバに想いを馳せ、私は缶ビールを手にした。

 

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 日曜の休日。起床→アニメ消化→ニチアサ→サンデージャポンのゴールデンコンボを決めた12時。やることが特にない。出かける予定もないし、やらなきゃいけないことも特にない。怠惰な休日。

しかし、時間は有限。今を生きる人間として、今を楽しく生きねばならぬ。楽しそうな目的を探してYouTubeを周回13時。時間泥棒と決別してスーパーへとりあえず買い出しに行く。いつもの食べなれた食材を買って帰宅14時。さて何しよう。

人間挑戦し続ける生き物。向上心を無くしては腐るだけ。何もないと云うことは、挑戦するチャンスである。ポジティブな思考で、何に挑戦するかに頭を回す。

コロナなご時世なので外出は控える。お金はあまり使いたくない。友達は少ない。さて、どうしたものか。いままで挑戦したことのない、新しいこと...

 

そうだ、昼間からお酒を呑もう。

 

今まで挑戦してこなかったこと。何となく世間の目を気にして、罪悪感があって、常識として、昼間からお酒を呑むなんてことはしてこなかった。今の私には日曜の午後と云う膨大な空き時間があり、冷蔵庫にはビールが冷えている。挑戦しない理由を偏見で言い訳することは簡単だ。しかし、挑戦する前から諦めるなんてカッコ悪い人間のすることだ。私は冷蔵庫から缶ビールを取り出し、プルタブを押し込んだ。

―――――プシュ、聞きなれた幸せの音が鳴り響く。そして一口。余韻に浸りながら、ベランダを眺め、最高の時間を噛みしめる。日曜日の昼間。湿気の多い梅雨の曇り空、行き交う人を眺めながら呑む酒。アルコールが廻り、ベランダから吹き込むそよ風が気持ちいい。昔憧れた昼間からワンカップ大関を呑むホームレスのことを思い出しながら、過ぎてゆく時間を肴にして呑む贅沢な瞬間。”あたりまえの日常”に感謝をして平和を願う。ロマンチストな自分の発見に驚きつつ、お酒は進む。

 

世の中には2種類の人間が存在する。「昼間からお酒を呑んだことのある人間」と「昼間からお酒を呑んだことのない人間」だ。この記事を読んでくださった貴方はどうだろうか?もし、休日に新しいことに挑戦したくなったら一歩勇気をもって踏み出してみてはいかがだろうか。最高の現実逃避になるだろう。先人として、この逃避劇を記事にしようと思い、ここに記す。仕事の電話が掛かってこないこと信じて、私は2缶目のビールに手を伸ばす。ごきげんよう

 

PS.美少年探偵団は今期日常枠No.1ではなかろうか?