岐阜獄中記 ~アキバから岐阜へ~

アキバを離れ、陸の孤島「岐阜」に収監(就職)されたオタクの話

獄中記

高専卒工場勤務年収400万 学歴で飯食う。

高専に入学してオタクとしてアキバを謳歌する。 テスト勉強のための勉強をし単位を確保。 大手企業に内定し卒業。 入社と同時に岐阜の監獄(工場)へ幽閉。 5年の年月が過ぎ年収が400万。 どうですか幸せそうですか?私は普通と感じてます。 中学の友達は…

老害にマッチングアプリは難しい

歳を重ねるほど自分の生き様に愛着がでる。だから曲げられないし、否定されるのは許せない。それが間違っていても貫きたいんだよ。愚かなのはわかっても。 岐阜に投獄されて5年目に突入し、未だ異性とのお付き合いが無いまま年齢を重ねて25歳独身。 恋人…

離れて知る秋葉原

牢獄ってのは不思議なもので、牢外から見ているうちは牢屋の内側ばかり興味本位で知りたくなるけれど、投獄されたとたんに内側に興味は無くなる。そしてシャバが恋しい。 オタクにとってのメッカ、秋葉原。 日本全国広しと云えど、オタクの街でここにかなう…

令和に部落なんて云われた日には反応に困る

知らない人にはわからない。知ってる人は意識する。 では知ってしまったとき、「知らないフリ」をするのが正しいのか。 「部落」と東京人に云われても、学校で習った程度の死語であって、令和の時代に使用しているのは老害(使っている方も使う方も)かお金…

なでしこを名乗る彼女

見知らぬ彼女は不安そうな顔で私の部屋の前に立っていた。なでしこを名乗る彼女を突き放してしまった私はベットの上で掛ける言葉を誤ったことを後悔することしか出来なかった。 最近の趣味、近くのホテルに宿泊すること。6000~8000円台の安いホテル…

昼間から酒を呑む幸せ

囚人にも休日はある。6畳一間の狭い牢屋部屋の中では あるが、次の労働まで36時間の休息。シャバに想いを馳せ、私は缶ビールを手にした。 日曜の休日。起床→アニメ消化→ニチアサ→サンデージャポンのゴールデンコンボを決めた12時。やることが特にない。…

獄中の先輩からの送る高専卒1年目・就活生へのアドバイス

どうして投獄されたのか当時は理解できなかった。理不尽な状況にあらがうことはできず、力なき私は世界を憎んだ。私はどこで間違えたのだろうと檻の中で自問する。 投獄されたばかりの頃の私は尖っていた。労働環境や、日本社会に対しての不満などを毎日毒を…

断罪しらんけど

牢獄で自我を忘れないために自問自答を繰り返す。歯車として魂があるだけの肉塊となり下がらないように。自分自身を見つめ直す、自我を忘れないために。 コロナ禍でなかなか友人と会えない日々が続くと、人との繋がりの大切さが染みてきます。今はオンライン…

牢獄でたべる冷飯

子供の頃はお腹を空かせて家へ帰れば温かなご飯が食卓に並んでいた。母の愛情のこもった料理を毎日食べていた。投獄されてからは牢屋で冷飯を口に流し込む日々。食事から栄養摂取に切り替わった行為はただた効率を求める。「いただきます」と「ごちそうさま…

監獄の栗きんとん

それは私の知る原型とはことなるカタチをしていた。製法も見た目も味も何もかも違っていたがコレは美味しすぎた。私は認めなければならない、コレの存在を。 nakatsugawa.town 栗きんとんと云われて皆さんは何を想像しますか?ほとんどの方はお正月に出てく…

コロナ村八分

よそ者の私がこの小さな集落へやってきたとき、いろんな噂がたった。異質な存在としてこの村に溶け込むことはなく常に監視の目に晒された。のどかで平和な村で私の自由は奪われた。 コロナの影響でなかなか実家に帰れず、もうすぐ一年が経ちそうです。最後に…

注射の中身

小さいころから医者は偉いと教わった。偉い人には従わなければならいない。「腕を差し出せ」と云われればそれに従い、注射が必要だと云われれば我慢して受ける。きっと必要なことだから。何をされたかも知らずに。 コロナの影響もあると思うが、以前より感染…

Yシャツでソロキャン

満点の星空の下、私は大自然の力に呑まれていた。冷気が薄着の私から体温を奪う。天体観察をする心の余裕はどこにもない。体を必死で摩り、地図とビニール袋を抱きしめて、日の出を待った。 それは秋から冬に移りかけの昨日の出来事。仕事終わりの花金、一人…

窓とサッシの隙間にいるカラフルなヤツ

夜、牢獄の外から響く小さな音。パチッ、パチッと何がが聞こえるが、外には誰もいない。音の正体を探るべく、牢の外を見渡す。そのタイミングを見計らったようにヤツらはあなたを襲いに来る。 秋になり朝晩の気温が寒くなってきました。冷たい空気って美味し…

寛仁新王

牢獄には賭場は付き物である。それは囚人たちのほんのささやかな楽しみ。少ない稼ぎを増やそうと、種銭を握り賭場に走る。男たちは賭けの顛末に熱狂し、あるものは下を向いて、あるものは胸を張って帰っていく。 投獄されてから新しい趣味が出来ました。競輪…

金貨の行方

労働の対価として支払われる金貨を貰う瞬間は何度やってもわくわくする。どうせ毎月ほぼ同じ額が入っているのだけなのに、その行為に一喜一憂し労働の喜びを味わう。手に入った金貨を眺めながら何に使おうか?と想像する。そんなときにヤツは現れる。取り立…

平積みされた本棚

堕ちる、堕ちていく。私を閉じ込める独房は雑然ともので埋まっていく。孤独誤魔化すため?幸福感を満たしたいため?本当はわかっている。気づいてしまったら戻れない。堕ちる、堕ちていく.... 投獄される前の実家では私個人の部屋はなかった。兄弟が多いため…

田んぼの真ん中の穴

大きく身を付けた稲穂は頭をたれ、風になびく。一面に広がる黄金色の田んぼ真ん中に穴が一つ。誰かが入った様子もない。周りの稲穂は無事なのにその一か所だけ稲穂が無残に潰されている。それは兄から教わった妖怪のお話。 季節は秋になり、近くの田んぼは収…

斎藤道山が憧れた那古野

岐阜城は三方を山に囲われた濃尾平野の奥にある天然の要塞である。複雑に絡んだ川が外敵の進行を阻害し、あの織田信長公も美濃攻略には苦労した。時は現代、要塞は牢獄と化した。 岐阜市がある濃尾平野は養老山地・伊吹山地・両白山地・尾張丘陵の山々に囲わ…

雛見沢は実在する

そこは日本人のDNAに刻まれた原風景がそこにあった。ここに訪れたのは初めてなの に、都会出身の私には縁も所縁もないはずのこの土地は何故だか懐かしく感じた。そんな幻想風景が目の前に実在していた 投獄されてから1年ほどたったある日、天命が聞こえた。…

ストレート・クーガーに憧れる

与えられた、労働に何も疑問に思わず従う。仕事が終われば、早い朝に備えて眠る。 服従することに慣れて、自分で動くことを忘れる。そして知らないうちに、走り方すら忘れる。 社会人になると運動することが億劫になります。学生時代の頃はキャンパスのグラ…