岐阜獄中記 ~アキバから岐阜へ~

アキバを離れ、陸の孤島「岐阜」に収監(就職)されたオタクの話

ワンカップ大関

老人はガラス瓶に入った液体をちびちびとすすり、生きる喜びを噛みしめた。

幼い私はそれを羨ましそうに眺め、大人に憧れた。

 

 この前酒税法が変わり、ビールが安くなったり第三のビールが高くなったりありましたね。ビールも発泡酒も味の違いが判らない私にはオールフリーが一番ビールの味を感じて美味しいです。

 

 私が小学生の頃で、まだ岐阜に収監される前の話ですが、道端のホームレスがワンカップ大関を美味しそうに呑んでいたのを見て、「絶対大人になったらワンカップ大関を昼間から呑む」と憧れていたものです。昼間からそんな度数の高いお酒を呑んでいる大人にろくな人はいないのですが、あまりにもおいしそうに呑んでいるので味が気になって仕方ありませんでした。子供の頃の思い出で、最近まで忘れていました。

 

 岐阜に収監された私は週末になると、ドラッグストアでお酒を買いに行きます。味の違いの判らないビールや甘いチューハイを呑んで気持ちよく眠る。アルコールが体に染みて嫌なことも疲れも忘れられる。大人の特権です。今週は金曜日をお休みにしたので、世間より一足早い週末。今週のお供を探しにドラッグストアに寄った時、大関ワンカップに再会しました。そのお酒を見て、子供の頃の思い出がフラッシュバック。即決でお供に決定。

 

 牢屋に戻り、キャップを捲ってさっそく一口。強いアルコールが喉を刺激し、脳がゆっくり暖かくなりました。砂糖漬けのような甘い後味。アルコールが強すぎて味の善し悪しがわからないけど、あの頃の大人の仲間入りが出来たみたいで、ふふふと感じる。ホームレスのおじさんを見習い、ちびちびとすすりながら残りのお酒を呑みました。当たり前ですが、普段はビール2本とかしか呑まない私なので、アルコール度数14%300mlを呑んだらベロベロになってしまい足元がふらつき、視界がぼやけてきました。こんなお酒を昼間から呑める大人はきっと心に余裕があるのだろうと考えながら眠りました。

 

 最近の若い人?はコスパのいいストロングゼロばかり呑むようですが、どう考えてもワンカップ大関のほうがコスパ最強だと思い、冷蔵庫に蓄えるようになりました。

 

 いつか釈放されたら上野公園で昼間からワンカップ大関を呑んで、通行人でも眺めて過ごしてみたいですね。そんなことを思いお酒の廻った体をベットに倒し、眠ります。

 

PS.我らの達也お兄様が帰ってきました。俺強い系ラノベはもっとお兄様から最強が何たるかを学んでください。