岐阜獄中記 ~アキバから岐阜へ~

アキバを離れ、陸の孤島「岐阜」に収監(就職)されたオタクの話

2020年俺TUEEに物申す

 強さに憧れるのは、種としてより良い遺伝子を持ちたいという生命本能である。最強に憧れを抱き、英雄譚にロマンを感じるのは子供も大人も一緒である。しかし、最強が飽和した現代その価値は軽薄化しつつある。 

 

 近年、俺TUEEE系の小説や漫画が多いですよね。2010年代ぐらいの定義は「身体能力や才能に秀でた主人公が強大な敵に立ち向かう話」ぐらいの印象ですが、今の俺TUEE系は「能力MAX状態でかませ犬を倒しまくる話」って感じです。面白ければどっちでもいいのかもしれませんが、最近のアニメ・ラノベは後述の俺TUEE系が飽和してコンテンツの質を下げている気がします。

 

  2020年代俺TUEE系のいいところは圧倒的能力で相手を倒したり、問題を解決することで、見ていてスカッとします。魅力的才能が十二分に使われているのは見ていて爽快です。ただし、問題なのは物語の終わりまで無双状態が続いてしまうことです。主人公の成長を見ることに重きを置いていないため、挫折とかが無縁になりがちです。「ちょっと複雑な問題で苦戦したけど、圧倒的能力でどうにかなった」みたいな展開が多すぎます。そのため、ワンパターンになりがちで設定に個性が寄りすぎてストーリーの個性が死にがちです。

 

 2010年代であれば挫折や能力ではどうにもならない問題(政治や人間関係)にぶち当たり、主人公が自分を見つめ直したり・仲間と協力したりして壁を乗り越えます。そうして主人公が成長していくのが話に魅力を感じるのです。主人公は能力に恵まれているが、最強では無いところがポイントだと思います。

 

 2020年俺TUEE系 = 最強能力主人公

 2010年俺TUEE系 = 天才能力主人公 ≠ 最強

 

  ざっくりまとめるとこんな感じ。

 

 ここから下はデータもソースもないけど私の考察です。

 

 2020年俺TUEE系が人気になった背景にはオタク全体の若年化が原因の一つだと思います。10年前でオタクと云えば中高生ぐらいから深夜アニメでハマり始めると思いますが、スマホやネット動画の普及により、小学生からでも見られるようになりオタクの入り口が低くなっています。○○キッズとか云われ始めたもの最近ですね。

 

 小学生オタクでも楽しめるようにリアリティを追求した近未来系科学能力モノより、異世界系魔法能力モノのほうが、わかりやすいため需要が増えています。そこから、難しい話(政治や能力の詳細な原理)を省いて見せ場(戦闘シーン)だけを重視した結果が2020年系俺TUEEです。

 あと、若年化と関係しているかはアレですが、アニメの描写表現も規制が厳しくなったためリアリティ路線が難しいので、魔法のほうが都合がいいのかもしれません。

 

 繰り返しになりますが、2020年俺TUEEがつまらない訳じゃないのです。コンテンツとして飽和しているのが問題なのです。めんどくさい設定が大好きな古いオタクには物足りなく感じてします。

 

 そういう意味では鬼滅は2020年俺TUEEでないのに小学生にも人気ですごいですね。

このブームに乗っかって最強では無い俺TUEE系が流行ってほしいと願う古いオタクです。

 

PS.以蔵さんから始まる年上女子たちとのカップリングはロマンで溢れている。