岐阜獄中記 ~アキバから岐阜へ~

アキバを離れ、陸の孤島「岐阜」に収監(就職)されたオタクの話

金貨の行方

 労働の対価として支払われる金貨を貰う瞬間は何度やってもわくわくする。どうせ毎月ほぼ同じ額が入っているのだけなのに、その行為に一喜一憂し労働の喜びを味わう。手に入った金貨を眺めながら何に使おうか?と想像する。そんなときにヤツは現れる。取り立てるように入ったばかりの金貨を奪い去る。なんて酷い!誰が俺の金貨を奪うんだ!

 

 コロナの影響もあり、キャッシュレス化が進みクレジットカードやスマホ決済なんかがかなり普及しましたね。キャッシュレスって聞くとおしゃれ感が強いですけど、10年前ならクレジットカードなんかはしっかりとした収入のある社会人にしか持つことができませんでした。それだけ責任のあるカードだったはずなのに、主婦や学生も持てる時代になりました。

 

 今日同期の囚人と家電量販店に行きました。当初の目的は冬に備えて暖房器具の下見でした。あれこれ見ているうちに同期が見つけました。

 

同期の囚人「switch売ってんじゃん!」

 

 同期は前々からswitchが欲しいと話していなした。しかし、コロナ需要で品切れが相次ぎ店頭で買うことは困難でした。予約して買うことも可能でしたがそこまではしていませんでしたが、「あったら買う」と想い過ごしてきました。それを決めてから数か月、ついにswitchが店頭で売られていました。

 そんな同期の想いを知っていたので、私は同期に強く勧めました。「欲しいときに買うのが一番いいんだよ」と。オタク的経験であり、欲しいけど買うか悩む理由がお金であるなら買うべき。この教訓のおかげで何度幸せになれたか、この教訓を破り何度後悔してきたか。同期は想定していない買い物に悩んでいましたが、同期を説得し最後には買うことを決意しました。牢獄での労働はでは薄給あるけれども、32000円決して買えない金額では無い。買うことを決意した同期と買った後の夢を膨らませながら、ソフト選びをしました。そのとき同期とこんなやり取りをしました、

 

同期の囚人「switch買ったら今月赤字だな~」

私「前から欲しかったものだから、大丈夫だよ!」

同期「これで4か月連続で赤字だわ、まいっか」

私「え....」

同期「switchの支払いボーナスのタイミングだし大丈夫!」

私「」

 

 私に罪悪感が襲ってきた。4か月連続?それはさすがにまずいのでは?

話しを聞くとクレジットカード支払いを常にしており、支払いは後回しで給料日の数日後に引き落とされる。いくら使ったかは漠然としか把握していなかった。コロナで自粛していた感情があふれ、買い物でストレス発散していた。

 

 いまさら「あたなのお金のことを想い、買うのをやめましょう」とは云えなかった。同期はお金が理由で悩んでいたのにそれを唆したのが私。云えなかった。同期はswitchとソフトを買い幸せで満ちていた。その隣で罪悪感でいたたまれない私は心の中で、懺悔した。主よ私の罪を許してください....

 

PS.虹ヶ咲学園面白いです。サンライズ動き過ぎでビビる。