前回の続き
解答編
どうして被害者は籠城を止めて飛び出したのに、ひっくり返ったのか?
やはり、ひっくり返った原因はお香にあると考えた探偵はもう一度現場検証を進めてい行く。
現場は冷蔵庫周辺で起きた。被害者は殺害直前まで冷蔵庫下で籠城。犯人のラベンダーのお香によっていぶりだされ、止む無く外にで出る。しかし、被害者は逃げるのではなくひっくり返り足をジタバタさせた。その後、犯人によって殴殺。
死因が殴殺であることだけは間違いないが、何故ひっくり返ったのかがわからない。
ひっくり返り足をジタバタさせていたのは何故か?降伏のサイン?もう一度起き上がるため?もがき苦しんでいた?
原因があるとすればやはりラベンダーのお香しかない。犯人は籠城している被害者に対して物理的な攻撃していない。しかし、お香には虫除けの成分しかない。
ふと思う、虫除けの成分とは。この虫除けの成分がひっくり返りの真相を握っているのではないかと探偵は考えた。
ラベンダーの成分を改めて調査する。が、残念ながら探偵の専攻は化学でないので成分名を見ても正直わからないため、虫除けの成分に絞り調査を進める。
ラベンダーが虫除けとして主に機能する成分は「リナロール(C10H18O)」である。リナロールは特別珍しい成分ではなくアロマはもちろん食用のフレーバーとしても使用される。人間にとっては毒性もほとんどない。もちろん昆虫に対しても神経毒ような効能までは確認できなかった。が専門外の素人がネット調べた結果で信憑性に欠けていた。
もし、ラベンダー(またはリナロール)が昆虫に対して毒性の強いものであれば毒が充満した冷蔵庫下ですごした被害者が外に出てひっくり返ったのも納得できる。ひっくり返った理由が毒が回ったからか毒の無い空気を吸うためか。
そう思った瞬間、探偵は真実にたどり着いた。被害者目線になって初めて気づいた真実。これは初歩の初歩なのかもしれないが、いかんせん被害者が人間でないため忘れていたこと。
そう被害者は中毒症状によってひっくり返ったのだと。毒性があるのはラベンダーだからではない。お香を使用したからだった。犯人によって冷蔵庫下は出入口を絞られて空気が淀む絞られた空間であった。2方面は壁面とアクリル板によって閉ざされ、正面はお香の煙が絶えず送られラベンダー香が充満していた。空気は残された左側面の出口のみ。ラベンダーに含まれるリナロールも殺傷性はないものの被害者にとっては有害な煙。では、被害者をひっくり返した毒は正体は?
それはお香の煙である。リナロールを含んだ煙ではなく、お香の煙。冷蔵庫下は煙で充満し被害者を蝕んだ。答えは酸欠。被害者は一酸化炭素中毒に襲われたのだ。
被害者だって呼吸しているのだ。冷蔵庫下なんて云うからイメージできないが、とある一室に煙が充満するすれば籠城なんてしてられない。生命の危機なのだ。しかし、飛び出したころには時既に遅し。酸欠で限界だったのだろう。沢山の酸素を吸うためか、体がマヒして動かなかったためかは不明だけども。水槽の酸素を吸いつくした金魚だって、ペットボトルに入れたダンゴ虫だって酸欠で死んでしまう。それだけのこと。
探偵のおかげで犯人には練炭殺人ならぬ、お香殺虫未遂の余罪が付いた。
どちらも私ではあるが。
殺虫現場の復旧をしながら、死んでしまった被害者のことを想い線香代わりにお香を焚いた。
なんてことを考えていたら、ミステリーぽくなったのでここに記す。
誰だってキングサイズのゴキブリが出れば殺虫衝動に駆られてしまう。
無益な殺生は好まないが、殺意が湧いてしまうのだ。
オチが酸欠なんてありふれていそうだが、ゴキブリ視点で考えなければ出ない答え。
「ゴキブリ視点」なんて見慣れないし、云い慣れないワードが面白い。
推理の納得がいかなかったり、昆虫の生態についての考察が雑だと思われたかもしれないが、わざわざ最後まで読んでくれたことに感謝を。
PS.ラブライブスーパースターは五輪延期2回あったからあと2話残っているお得感を感じる。